10月24~26日のポルト旅行では、「ポルトガル発祥の地」と称される町ギマランイス(Guimaraes)にも足を運びました。ポルトガルは1143年にスペイン(カスティーリャ=レオン王国)より独立を果たし、アファンソ・エンリケスが初代国王となりますが、その王が誕生したのがこの町。町の入口の壁には、「AQUI NASCEU PORTUGAL (ここにポルトガル誕生す)」と誇らしく書かれています。
ギマランイスの歴史地区は2001年にユネスコ世界遺産に登録されました。といっても見所は多くなく、ハイライトはこの丘の上に立つ初代国王アファンソ・エンリケス生誕の城、ギマランイス城となります。
10世紀に建てられた石造りの城は、ヨーロッパの他の壮大な城たちと比較すると少々迫力不足の感が否めません。高さ28mの塔の上からはギマランイスの町並みが展望できました。ただ曇っていたせいでしょうか、町全体がグレーに見えて、それ程美しいとは感じられませんでした。ガイドブックには「歴史の重さを感じさせる味わい深い所ばかり」と書かれていたのですが・・・。
そんな中、ギマランイス城の中で季節外れ(?)に咲くアジサイを見付けました。この花は雨の雫でその可憐さが一層引き立ちます。花弁の色が鮮やかでなくとも、思わずレンズを向け、シャッターを切ったたのでした。
ギマランイスはポルトの北東約50km、鉄道で約1時間15分にあります。ポルトから十分日帰り可能。それ程特徴的な見所はないように思われましたが、歴史好きに人は楽しめるかもしれません。天気が良かったらもっとポジティブな印象を持った、・・・のかな?
なお、ギマランイスは2012年の「欧州文化首都」となることが決まっています。EUによりその年1年間に渡って集中的に各種文化行事を展開する都市と指定されているとのことです。
この時期の欧州を歩いていて、私も気になったのが、季節はずれの紫陽花をあちこちで見かけることでした。ロンドンの花屋でも圧倒的に紫陽花をみかけることが多かったです。1年中人気のあるお花なんでしょうね。紫陽花の原種は日本原産の「ガクアジサイ」で、欧州には、1789年にイギリス人植物学者ジョセフバンクスがキューガーデンに持ち帰り、「東洋のバラ」と言われ大流行したそうです。その品種改良で生み出された「西洋アジサイ」が日本に逆輸入され、日本でも大流行したそうです。私の大好きな浮世絵なんかもそうですが、日本でのそこにある日常が海外に持ち出されることによって、まったく異なった芸術的価値を付与されるという動きは、各国での人間と環境(自然、社会、知的、人工的などのあらゆる環境)の関係性を反映しているようで、とても興味深く感じます。
投稿情報: Maru | 2009-11-04 17:12
>Maruさん
そうなんだよね。
俺も昔気になって一度アジサイのルーツを調べました。
それにしても何でヨーロッパでは1年中アジサイが咲いているんだろう・・・。
投稿情報: Shibuya | 2009-11-05 13:40
ギマランイス城。
こじんまりしているけれど、石造りの要塞然とした姿が、ちょっとイギリスの古城っぽくて素敵じゃないですか。
背景の空の色からも、そう思うのかもしれませんが。
ポルトガルといえば、以前ブログにもアップされていた、カラフルなヘンテコなお城があったのも、ポルトガルでしたよね???
投稿情報: Nathalie | 2009-11-09 22:55
>Nathalieさん
ギマランイス城は、僕も少しイギリスの城っぽいなあと思いました。
武骨な感じが似ていますよね。
あのカラフルな変てこなお城は、たしかにポルトガルです。
シントラというリスボンの西にある町のペーナ宮殿。
http://shibuya_naoki.typepad.jp/top/2009/03/--0beb.html
投稿情報: Shibuya | 2009-11-13 05:52